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定休日のお休み?

「くらしのくら」の決算は5月末日である。結果は予想を裏切らず、対前年比をクリアできない結果となった。かすかな希望は後期から少しづつ上向きになっていること、店舗や、市場での売り上げが下がるなかで、ネットでの販売が134%とヒトリ気を吐いたことであろうか。

黙っているわけにもいかず、7月より毎週水曜日の定休日を営業することにした。今まで、店は休みでもスタッフは出勤して、お買取りした品物の仕分けや店出しなどをしていたので、スタッフのシフトはほとんど変更せずに店をオープンできる。

年末年始にしっかり休んで、あとはしっかりと営業しよう、と激を飛ばしていると、業界紙に「三越伊勢丹ホールディングスが首都圏の店舗の休業日を設け、営業時間を1時間程度短縮して、販売員の働く環境の整備を図る。アパレルなどの業界団体は日本百貨店協会に営業時間の短縮などを申し入れたが、それに応じたのは大手では三越伊勢丹だけで、そごう・西武は逆に今年から全店で元日営業を始めた」とある。(日経流通新聞2013年6月17日)

お年玉以外にお金に触れない唯一の日、元旦にデパートをオープンすることにはとても抵抗があった。消費者も、販売員も皆が休む日であって欲しい。休んだ後に、初売りと来なければ日本人としてケジメがつかないというものである。

で、そういうオタクは何で定休日をやめたのか?ですよね。
深く考えてスタートしたわけではないが、定休日返上の意味よくよく考えてみると・・・・

その1

未だに到達してはいないが、デパートでは絶対注文できない品物だらけのお店が「くらしのくら」の目標である。今のところ、デパートで買えないものの占める割合は残念ながらおよそ60%くらいだろうか。

そのデパートでも注文出来ない品物が沢山あることが、お客様にとっては「目的のないご来店」となるのだ。「最近オモシロイモノ入った?」という男性客は多い。店内を回ってアチコチ眺めながら、自分のアンテナに反応したリサイクル品(お買い得の品や珍しい品)を探す快楽をもっと楽しめる店にしていきたいと思う。そのようなお客様にとって、定休日はフラリと立ち寄るチャンスを奪うことになる。(エラそうですみません)

その2

女性の来店した際の、店内探索ルートはまず洋服から入り、貴金属に目をやり、食器を手に取り、着物を触っていくパターンである。店舗奥にあるきものコーナーの引力は強く、女性はたいてい着物を眺め、帯留めや帯揚げ、端切れなどの和装小物などに触れていく。

買う、買わないということではない。つまり、「くらしのくら」のような総合リサイクルショップはテーマパークというのは大げさだが、見て、触れて、知って、楽しむライフパークと言っていい。だから、一つのアイテムだけを見て買う人はまずいない。歩きまわって、歩きまわって、一つ決めたらそれをレジ前に置き、また歩きまわって一つレジにもってくる。そして小さなお山ができて精算となるのが「くらしのくら流お買い上げパターン」と言える。

つまり、その日店が開いていればお客様は「入ってみる」のである。だから店が開いていなければ、「明日来よう」とはなかなかならないと思う。

はたして、その結果は…

定休日を営業日にしたその初日、昼過ぎまでチラリ、ホラリのお客様で、レジスターの音もしない。「水曜定休はだいぶ行き渡っているのかもね」などと話をしていると、お買い取りのお客様が2人ご来店、重なるように小家具が次々売れ、店内が活況に見舞われる。それも、馴染みのお客様というより初めて見るお客様が多いような気がする。

もしかすると、水曜日にしか来られないお客様もいるのかもしれない。
というわけで、水曜営業はしばらくトライすることになった。

看板の「水曜定休」の張り紙を外すと、そこにはオープン当時の「年中無休」のタイトルが・・・・・・ナマケモンが初心を忘れないのはホント難しいなあ。

補足:「年中無休」と謳ってはおりますが、正月はしっかりと休みますのでご安心ください。

「くらしのくら」の看板に歴史あり
20130709-0

2000年6月オープン時
20130709-1
         ↓
2008年4月頃
20130709-2
         ↓
そして、現在
20130709-3

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