モノ語りヒト語り

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味わって楽しむ、見て楽しむティーカップ

「雑貨屋の雑貨知らず」とでも言おうか。改めて気がつくことがある。

 

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このWEDGWOOD(ウェッジウッド)はフロレンティンターコイズという120年以上もつくられてきた人気商品である。ターコイズブルーの色合いにドラゴンなどの伝説の動物が描かれた印象的なカップだ。「くらしのくら」でもお買い取りも多く、恐らく今までに20客以上販売しているに違いない。

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スタッフ二人でお客様のお家にお伺い、査定の後、紅茶をごちそうになった。「ターコイズですね、よくお買い取りがあるんですよ」と、淹れていただいた紅茶よりも器に関心がいく失礼なヤツである。

「でも、考えてみたらこのターコイズで紅茶を飲むのは初めてだよね」「確かに・・・・」と頷く相棒。「香りがあって美味しい」「この口当たりも柔らかでいいですね」と饒舌になるスタッフ。

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改めて、その器のデザインを見るとギリシャ神話を元にしたという「グロテスク文様」が青い色あいに溶け込んでいるのがよく分かる。お買い取りの際は使用痕やスクラッチのチェックに追われて、器をしっかりと楽しんでいなかったのに気づく。味わいを楽しみ、見て触って楽しむのが器なのだ。

そう、今までどれほどのウエッジウッドやヘレンドやロイヤルコペンハーゲンやマイセンやジノリやリモージュやアウガルテンやフッチェンロイターやローゼンタールやロイヤルアルバートやロイヤルドルトンやミントンや・・・・・言うのも疲れるくらい様々なコーヒーカップ、ティーカップを買い取り、販売してきたか。

だが、そのカップを口にしてコーヒーや紅茶を飲んだ経験と言ったら両手分あるかないか。ベッドを売るスタッフが全てのベッドで寝てみたわけではないように、その必要があるわけではないのだが、突然、見慣れたカップで紅茶を味わうことになって、その温かいティーカップを指や唇で感じていくというのは、実に面映ゆくもあり、初体験の嬉しさを感じるものだった。

ハンドルのしっくり感やピオニーシェイプとい飲みくちが広がったオーソドックスなカタチが紅茶の3つの要素「味、香り、水色」を楽しむには最適だということが改めてわかるのである。芍薬の花(peony)のように飲み口が広がっているのはダテではない。

店では朝のミーティング、休憩でコーヒーを飲むのだが、今度は紅茶を用意して少しは優雅に時間を過ごすクセをつけていきたいものだね、と帰りの道すがら、「貴族のように静かに歩きながらお話をしてきた」のでありました。

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