モノ語りヒト語り

「モノ語りヒト語り」一覧へ

省エネ、リサイクル、政治のメクラマシ

夏の暑さのせいか、酷使に耐えかねたのか、お買い取りを終えて店へ戻ろうとしたときに、軽自動車(箱バン)のエンジンがかからなくなった。30秒休ませてはかけてみるものの、クイーンと情けない叫び声を出すだけである。

ちょうど、コンビニの近くだったので「やむなく」100円コーヒーを買って熱い車内でコーヒーブレイクした。車もその小休止がきいたのか、エンジン点火成功。途中でまたエンジンがかからなくなっても困るので、カー用品専門店で見てもらった。やはりバッテリーが悲鳴をあげていたらしい。

「何度も止まったりスタートしたりする営業用の車には、高性能のバッテリーがオススメです。ほら、アイドリングストップの車ってあるじゃないですか、あれに使うバッテリーは1万円ちょっと高いんですけど、ずっとモチがいいんですよ」

20150901-1

だが、おすすめの品はやめ、一番安いバッテリーに交換した。高級なバッテリーはこの車に似合わない。
そういえば、もう一台のワゴン車にはアイドリングストップ機能が付いている。高性能で高価なバッテリーを搭載しているのだ。安いバッテリーではないのだから、アイドリングストップは経済的だの、環境にヤサシイなどと単純に言うわけにはいかない。

20150901-2

ワゴンのデータ表示を見てみた。6万キロ走行(3年)でアイドリングストップした時間が通算14時間、節約出来たガソリンが14リットルということである。現在価格が128円前後として1,792円のお得ということになる。とても採算が取れるアイドリングストップ機能とはいえない。このバッテリーの高くなった1万円分を取り戻すには約40万キロ走らなければならない。

20150901-3

6万キロ走ってこの結果である。もうバッテリーの交換時期をとうに過ぎている。単なる経済的効率が悪いということだけではない。その高価なバッテリーの製造にかかるエネルギーや、リサイクルのことを考えると、その代償としてのアイドリングストップを省エネで素晴らしい、といえることなのだろうか。メーカーも消費者も「省エネ」というスローガンの持つ「罪滅ぼし感」で、メクラマシをくらわされているのではないか。省エネメクラマシはこれだけではない。

「電車の切符をリサイクルしてベンチを作りました」も同じである。切符からベンチを作るのにどれだけの再生出来ない石油エネルギーを消費するのかわからないが、多少高くなっても再生できる木材のベンチのほうが地球の寿命を延ばすことができるのは確かである。暴言といわれるかもしれないが、切符は焼いたほうがいい場合だってあるのだ。それでもリサイクルするのは、「リサイクルに一生懸命です」というアピールであろう。リサイクルメクラマシである。

安倍政権の「戦後70年談話」もメクラマシそのものである。免罪符となる言葉だけを散りばめ、主語も明らかではない文章は何の責任も負わない不真面目さにおいて、飛び抜けている。

それだけではない。いつの間にか悪評高い国民背番号制が「マイナンバー」などという今風の言葉で化粧されて施行され、通信傍受法は限定的にしか使わないと言って成立させておきながら、今や拡大運用の法改正を急ぐ、など政治のメクラマシは過激になっている。

だが、8月30日には、安保法制での米軍の戦艦に日本人が救助されるなどという想定マンガのメクラマシに騙されない人々が声をあげた。

雨の中、国会を取り囲んだ安保法案抗議集会は、あまりに多くの群衆で警察が道路を封鎖していた鉄柵が倒れ国会へ向かう車道は瞬く間に多くの人々で埋め尽くされた。身動きできないほどの大群衆である。(主催者発表で12万人)集まった人々は子供連れ、お年寄り夫婦、ベビーカーの赤ちゃんと一緒の夫婦などで、従来のデモとは全く異なる熱気だった。

「現状に絶望していたが、希望があると思った。日本人の中に9条の精神が根付いていることに勇気づけられた」と坂本龍一さん。

心地よい言葉にまみれた国のメクラマシを見抜く力を磨き続けて、希望を失わないようにしていくしかあるまい。

「モノ語りヒト語り」一覧へ

お気軽に
ご相談ください

くらしのくらや買取に関して皆様よりいただく質問をQ&A形式でご紹介しています。

よくあるご質問

小さなことでも
遠慮なくご連絡ください