モノ語りヒト語り

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ワケアリ?!ぴかぴかのダイニングテーブル

大抵のモノにはワケがある。一度惚れられたヒトから手放されるモノは“とりわけ”である。だが、そのワケが全く見えないモノも時にはあるのである。

全く未使用のダイニングテーブルセットがそのひとつの例だった。

「ワケがあって売りたい」との電話でさっそく査定に向かった。ごく普通のマンションの一室である。玄関を入ってすぐのダイニングルームにそれはあった。他にテーブルがある訳ではない。かと言ってそのテーブルに使用した痕跡はない。それどころかご丁寧にタグ(メーカー名、材質、寸法などの表示カード)が付いている。

売主である御婦人の表情は厳しい。普段なら軽く聞いてしまう「えっ?!どうされたんですか?」との質問を飲み込む。無論ダイニングテーブルも黙して答える筈もない。

査定価格を告げると、即座に「お願いします」との返答。大抵の場合新品だと「もう少しなんとかして!」というリアクションがあるのだが。

こうして、この新品のダイニングテーブルは【くらしのくら】の仲間入りをした。

店の一番いい場所に設置すると、まるで新婚生活にピッタシ風の明るい雰囲気で、なんだか自信を取り戻したかのように見えた。そのためか1週間も経たないうちに、2度目のモノ生活を歩むことになった。新しいご主人は温和な中年夫婦である

うんお前はバツイチだからこそ、いい再出発が出来たんだぞ。うんとかわいがられてこいよ。

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