モノ語りヒト語り

「モノ語りヒト語り」一覧へ

カメオ

写真で分かって頂けただろうか。ひとつはカメオのリング、ひとつはカメオのペンダントトップである。大きさは違うがよく似ている。左の大きいカメオも元トップであったがリングにリフォームされている。

20040316-1

Sさんはいつも等々力に行く際に私たちの店の前を車で通るのだが、タマタマ歩いていくことになって初めて店内には入ったという。そこで見つけたのがカメオのトップだった。それはジュエリーショーケースの奥に隠れるようにあった。値段も付いていない上に(申し訳ありません。忙しさにかまけ、そのまま店頭に出してしまうことがあるのです。)隅に追いやられている風で、売り物かどうかも分からない。

どう見ても、30年程前にお父上にプレゼントされたカメオによく似ている、と思ったSさん。「値段分かったら電話下さい」と、スタッフに伝言し、早速家で確かめたという。リングの形状は間違いなく同じモノだ。

数日後Sさんは思い出のカメオを持って御来店。その際に並べて撮影したのがこの写真という訳である。

20040316-220040316-3

Sさんが大学生の頃、御父上がロ-マに行った際、知人の通信社の方に、「イタリアに来たらお土産はカメオが一番だ」と言われ娘さん二人にプレゼンとされたもの。3年程前、Sさんがイタリアに行った時、ローマ広場で同じようなカメオを売っていた店を見つけた。自分のカメオを見てもらったら、「これは自分の店で作ったものに間違いない」と言われたという。マイスターの確かな技術と歴史は今も脈々と行き続けているのである。

そんな長い時間をSさんと共にしてきたカメオと同じ出自のものを、ローマでも深沢でも見つけ出したSさんの眼(マナコ)の確かさに感服である。偶然この店にSさんが入って来られたちょうどその日、このカメオがディスプレイされた。これはまさに「運命」と言っていいだろう。

「さあ一緒にしてあげましょう!」と言ってお買い上げ下さったSさん。30年の時間とローマの地がこの深沢の店でクロスしたのだ。こんな時程、「モノのバトンタッチ」をしている者として嬉しい時はない。

さあ、幸せをたっぷり運んでおくれ、カメオの女神様!

追伸:左向きと右向きで違う幸せを呼ぶということですが、御存知の方おりましたら教えてください。

「モノ語りヒト語り」一覧へ

お気軽に
ご相談ください

くらしのくらや買取に関して皆様よりいただく質問をQ&A形式でご紹介しています。

よくあるご質問

小さなことでも
遠慮なくご連絡ください