モノ語りヒト語り

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「コロナ禍での20周年を迎えて」

「くらしのくら」がこの世田谷区深沢に店を構えて20年たちました。


<「開店お知らせのチラシ」と「初日の売り上げ記録レシート」>

くらしのくら開店日は2000年7月15日(土)。
当日は、オープン前に行列ができ、店内は歩くこともままならないくらいのお客様で
にぎわいました。
その日は、販売した商品の数は1,404点、一日でレジロール1本を使いきりました。
1点当たりでは1,268円と、当時の商品の価格帯がよくわかります。

20年前の深沢商店街を思い返すと、今も続いているお店は一割程度でしょうか。
その残った店の一つになった大きな理由は、お客様の常日頃のアドバイス(叱咤激励)に耳を傾けてきたことのような気がします。

 コンビニやスーパーと異なり、スタッフとお客様の世間話はごく普通で、
お買い物ついでに自分の身の回りの話をしに来店される方多いような店でした。
 
開店間もないころ、お客様に叱られました。
「こんな食器を出したらダメよ、あそこの店で扱っている作家の器を見てきたら?」
直ぐ見に行きました。
3坪ほどの店の中の商品の数はわずかでもその質の高さは明白でした。

「プラチナのネックレスとかリングを置いてないの?
アクセサリーより貴金属の方が売れると思うわよ」

オープンして1年ほどした2001年11月、
大量の洋服、食器類を撤去、ブランド洋食器や漆器、古伊万里などに
入れ替えました。さらに貴金属の取り扱いを開始。

「売りたい着物がいっぱいあるんだけど、買い取ってくれないかしら?
この辺に着物を扱っているお店がないのよ」

2006年9月、店舗内装のリニューアル、畳二枚を中心に6坪ほどのスペースを
設置、着物専門スタッフを招請して着物コーナーをスタートしました。
軌道にのるまでは1年以上かかりましたが
後に、貴金属と着物は店の大きな柱へとなります。

2016年12月、店の内外装のフルリニューアル、店の通路は平行なラインにするのを
やめて、テーマパーク的に楽しめるようなスペースにしました。店ではなく、一軒のおうちがそこにあるように。

そして、2020年4月、突如襲い掛かったコロナ禍でおよそ2か月の休業。
休業中に、「クラノマスク」と称した2枚の不織布マスクとともに状況報告をお客様に
お送りしました。


(運よく、知人から大量のマスクを仕入れることができたのが幸いでした)

自宅にいる方も多いだろうから、何か一言お店の改善点などを書いてもらうのは
いいかもしれない、とアンケート葉書も同封したのです。
しばらくして、一日も早くコロナが収束したら店に行きたい、という
期待の声と、同封した「クラノマスク」に対する思った以上の喜びの声が届きました。

コロナ禍により店を続けられるかどうかの瀬戸際の時に、
100枚を超える皆さまからのはがきを読み、
「泣き言はやめよう!店を続けなきゃ!」とスタッフ同志が頷きあったものです。
20年間の歴史のなかで最も危機的な状況のなかで、最も幸せを感じた出来事でした。
 
いつものお店に戻る目途はつきませんが、お客さまという「伴走者」に見放されないよう一つの所に命を懸けて、イッショケンメイ仕事に励んでいきます。
「ヒトとモノとに関わりあえる幸せのために!
そして、スタッフ自身の生活を支えていくために!」

2021年が皆さまにとっても良い年でありますように。
そしてコロナに負けないお体でありますように。

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